街のはずれにある公園に
書見台が置いてありました
鉄が赤く錆びて朽ちていて
日焼けした本が置いてあった
何となく気になり近づいて
怖いもの見たさに手を触れると
ひとりでにページが動き出し
大口で体を食べられた
気がつくとあたりは
無限に広がる
暗く冷えた
森の中
人気がないはずの
摂理の向こう
乾いた光が
体を包み
目が覚めると
無限に広がる
苔の生えた
子供部屋
毒牙に噛まれた
私のカラダが
盲目的に遊びました
(あれから私の心は
時を刻むのも忘れていました
段落を横切るだけの日々
話の終わりを待っているのです)
(何処からか扉が開いて
戸惑った子がひとり現れた
ひどく疲れた顔で私の方を見て
一目散に走り始めました)
気を取り返すと
目の前に映る
涙を浮かべた少女
(百億年ぶりに
感じた匂い
手を伸ばせば直ぐ)
不気味な微笑の催涙ガスが(殻に閉じこもったまま)
心を蝕んで(誰を見るでもない日を過ごし)
日が暮れることの無い世界の中(続けて私の心が忽ち)
カラダが砕けたことも気付かず(砕けて開けて青い空を見た)
目が覚めると(目が覚めて)
無限に広がる(無限に広がる)
腐乱した地獄釜で(懐かしい匂いの里)
毒牙に噛まれた(笑顔を浮かべた)
私のカラダが(あなたの手足が)
盲目的に遊びました(頻りに遊ぼうとしました)
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